ゆるがしこい節約メディア「ゆるぢえさん」

ゆるぢえさんでは、「節約術」を
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高められるコンテンツをお届けします。


こんにちは、真夏のピークが去ったものの身体が夏にナルおかんです。つまり暑い。

命の危機を感じるほどに酷暑だったこの夏、馬鹿ハマりしたドリンクがあります。
それは……ハーブティー!


KIRINの「冴えるハーブと緑茶」、コカコーラ社の「爽健美茶」。
ハーブの香りが爽やかで、普通のお茶よりもスッキリしていて超ウマイ!

喉が渇いた時にいつも飲んでたんですが、ガブガブ水分補給をする時期に、毎回毎回150円のペットボトルを何本も買ってると、結構な金額になるよなぁ……。

連日財布がスカスカのわたしは考えました。
じゃあ、その辺に生えてるハーブでハーブティーを自作しちゃえばいいじゃない。

種類にもよりますが、意外と街ナカでも野生化したハーブが生えていたりするんです。買うとクソ高いハーブですが、道ばたに生えてるハーブなら新鮮な上にタダ! いますぐ採取に行くっきゃない!

……というわけで、
近所を散策して野生のハーブを摘み、
プロのハーブティー屋さんのご協力のもとに
その辺のハーブで作れるおいしいハーブティーのレシピを考案しました!

結論からいうと、近所でとってきたとは思えないおいしいお茶ができたのです……!

 

市内をうろうろしてハーブを探す


郊外の川沿いにやってきました。

ハーブは見慣れているので探すのに問題はないのですが、自宅から徒歩3分の場所で最初に発見したハーブは大型の幹線道路添いだったので、排気ガスが気になり断念。このへんなら車の往来が少ない場所なので、安心できそうです。

のどかな光景ですが、ギラッギラに目を光らせてお目当てのハーブを捜索。
どこじゃ!どこに生えとるんじゃ! 刮目せよ〜!

 

 


……とか言うてる間にすぐ見つかったやないか〜い!
ドクダミとヨモギ!

ただの雑草やないかい!と思うかもしれませんが、Wikipedia先生によれば「ハーブ(英: herb)は、一般的に料理の香り付けや保存料、薬、香料、防虫などに利用されたり、香りに鎮静・興奮などの作用がある有用植物」とのこと。

ドクダミもヨモギも生薬として活躍するので、立派なハーブのひとつ。しかも爽健美茶にも入ってます。


ドクダミの見た目はこれ。踏むと強烈な匂いがするあの草です。この匂いが苦手な人も多いかもしれませんが、干すと香りはかなり和らぐので、お茶にしても問題ないでしょう。
ベトナムだと、揚げ春巻きの薬味としてフツーにでてきます。


おなじみの雑草、ヨモギ。摘むと本当にヨモギ団子の甘い香りがします。全国いたるところに生えてるので、いちばん見つけやすいハーブかもしれません。

ええ〜、爽健美茶の材料がいきなりふたつも手に入るんだったら、そんなんもう爽健美茶つくれちゃうじゃん〜。買わなくていいじゃん〜。いっぱい生えてるじゃん〜。いそいそ採るじゃん〜。


いそいそ……。

 


いそいそ……。

通りかかったおばあちゃんから胡乱な目で見られながら、袋いっぱいのヨモギとドクダミをGETしました。

 

住宅街に生えているハーブを探す


住宅街でも探してみましょう。
道路脇の植え込みや、コンクリの間に生えている雑草が意外としっかりハーブだったりします。

午後になって気温は最高潮。タダってことで探しはじめたけど、この労力を考えたら果たしてオトクなのかどうなのかわからなくなってきた。スーパーで買ってもええんちゃうのか。涼しいスーパーで「ガツンとみかん」も買うたらええんちゃうのか……。

 

バックレかけつつ、しばらく線路沿いの道をあるいていくと……

ミントだ!ミントが生えている〜!

 


っていうかフェンスの向こう全部がミントや!! ミント天国や〜!!

 


まあフェンスの向こうは線路だから入っちゃダメなんだけどね。

 


目の前にあるにょきにょき生えるミントに歯噛みしつつ、国境(フェンス)の手前に生えている分だけを収穫することに。

ミントは根っこを延ばしてそこからどんどん生えてくるので、植えたら(あるいは種が飛んできて発芽したら)最後、もれなく一帯がミント畑になります。いわゆるミントテロです。恐ろしい画像が出てくるので、気になった人はググッてください。
植えるのは簡単なんですが、生えすぎが怖くてちょっと手を出せないハーブ。


ミントはこんな感じで互い違いに葉っぱが生えています。とても交雑をしやすい植物なので、野生化したミントが全部この種類とは限りません。怪しかったら葉っぱをちぎって香りを嗅ぐのがおすすめ。

 


別の場所ではローズマリーも発見しました。
空き家だらけで一見すると通り過ぎそうな道にボッサボサになって生えてた……。

甘みのある強い香りが特徴で、豚肉や鶏肉などの食材と相性がいいローズマリー。まさか生えてるとは思わなくて驚愕しました……が、周りに聞いたら「近所に生えてるよ」って人が何人かいました。みなさんのとこではどうでしょうか。

市販のものと比べるとずいぶん葉っぱが小ぶりでした。野生だから小さいのか、そもそも売ってるものとは種類が違うのか。お茶にするといったいどんな味わいになるんだろうな。


お茶とは関係ありませんが、スベリヒユが生えていたので、がっつき気味にこれも採取!
スベリヒユは食べられる雑草です。茹でておひたしにすると超ウマイので、見かけたら食べてみてください。

 

ハーブを干してお茶にしよう

採取したのは5種類のハーブ。ドクダミとヨモギ、ミント、ローズマリー。あと、家の近所に生えている柿の木の葉っぱも、家主に許可を取って摘ませてもらいました。柿の葉は「柿の葉茶」にもなる立派なハーブです!おっちゃんおおきにやで!

1日いろんな種類のハーブを摘んで、指先が自然を凝縮したようないい香り……。


ハーブはよく水で洗って土や汚れを落とし、天日干しにします。

裏庭にザルを並べてあとは放ったらかし。
よく見ると、裏庭にドクダミ生えてたみたいですね(写真端のモサモサ)。


柿の葉は硬かったので、2分ほどレンジでチンしてから干すことにしました。

最高気温は38度に届くほど暑い京都の夏。1日干せばカラッカラに乾燥してくれました。
さて、それを各種丁寧にジップロックに詰めて……。

 

ハーブティー屋さんに美味しいブレンドを習おう


京都・西陣にあるハーブティー専門店「たま茶」さんにやってきました。

プロのハーブティー屋さんに協力してもらって、おいしいブレンドの比率や、ハーブの魅力を聞いてみようという魂胆です。

「その辺で摘んできたハーブをお茶にするので、ブレンド手伝ってください」と訳の分からないお願いにも関わらず快諾していただき、マジはんぱねぇ感謝……。


たま茶を営んでいる西山さんご夫妻……と生後5ヶ月のアイドル。専門店での長年の経験を活かし、ハーブティーのブレンドなどを担当する奥さんと、主に給仕の担当をされている旦那さん。

okan_icon「今日はよろしくお願いします!」


息子のハルくんは、主にお客さんの目尻をヘニャヘニャに下げる係。

okan_icon「爆発するほどかわいい……。もはやお茶なんかつくらずにずっと遊んでいたい。」

nishiyama_icon「そこはつくりましょう。持ってきていただいたのを並べてみてください。」


カッサカサに乾燥したハーブを陳列。
ここには写っていませんが、ミントが余ったので生のままの分も少し持ってきています。

nishiyama_icon「わぁ〜、この袋に入ってると警察の押収品みたいですね。」

okan_icon「誤解を受ける発言は謹んでください。」


ヨモギの葉っぱをこまかくほぐす西山さん。

nishiyama_icon「ヨモギやドクダミなんかの和製ハーブもいい香りがしますね。うちではは西洋のハーブを主に取り扱ってるので新鮮です。」


okan_icon「あ、ほんとだ!いい香りですねえ!(フガフガ)」

nishiyama_icon「誤解を受ける行動は慎みましょう。」

ブレンド茶をつくってみよう


okan_icon「ではでは、5種類のハーブを使ってお茶をつくっていきたいんですが、コツとかありますかね。」

nishiyama_icon「ひとつはスプーンを統一することですね。1杯の基準を統一させることで、比率を計算しやすいです。」

okan_icon「味つけ(?)のコツなどは。」

nishiyama_iconクセの強いものは量を少なめにすることです。今回のものだと、柿の葉やドクダミをベースにしてつくるといいと思います。」

 

ビタミンCたっぷり!予想の30倍おいしいブレンド

nishiyama_icon「最初にブレンドするお茶ですが、いきなり全部混ぜちゃいましょう。」

okan_icon「いきなり全部ですか?」

nishiyama_icon「はい!香りの強くないハーブから入れていきましょう。柿の葉1.5くらいで、他は0.5くらいの割合でしょうか。」


手際よくスプーンで量を調整し、混ぜていく西山さん。和製ハーブははじめてだというが、このあたりは経験の巧。

okan_icon「そんなにたくさんの種類を混ぜて、味は大丈夫なんですか?」

nishiyama_icon「混ぜる素材が多いほど、ひとつひとつのクセが中和されるので飲みやすくなるんですよ。」

 


nishiyama_icon「せっかくならフレッシュのミントも入れてしまいましょうか。」

okan_icon「チョイスにためらいがなくてスゴイ……。色合いが奇麗ですねえ!」

乾燥ハーブだけじゃなく生のミントを入れたことで、爽やかな香りが一気に増しました。
基本的にハーブは生だと香りが芳醇で、乾燥させると成分が凝縮されるそうです。


ブレンドしたお茶っ葉をティーカップに入れ、お湯を注いで成分を抽出させます。

okan_icon「お湯の温度はどれくらいですか?」

nishiyama_icon「沸騰したてのお湯で大丈夫ですよ。」


待つこと3分。湯のみのお茶を注いでみましょう。
tea_gif
okan_icon「お茶っぽい色になってる!」

薄緑に染まったお茶ができあがりました。
気になるお味の方ですが……。

nishiyama_iconおいしい!

いやこれがおいしいのなんのって。

柿の葉やドクダミなどの和製のハーブが土台に、ローズマリーとミントが爽やかに鼻に抜けていきます。黙ってたら近所で採ってきたものだとは思えない。

レシピ(比率)はこちら!

nishiyama_icon「ベースにした柿の葉には、なんとレモンの20倍のビタミンCが含まれているんですよ。また柿の葉に入っているタンニンは摂取すると抗酸化作用が働くので、高血圧防止の機能があります。」

okan_icon「柿の葉すごい!それに、生とドライ、ダブルミントも効いてますね。爽快感があります!」

nishiyama_icon「ミントの特徴はやっぱり清涼感のある香り。リラックス効果が高く、ストレス解消や安眠が期待できますね。」

 

いきなり幸先のいいスタートでした。


テーブル横の座敷では、ハルくんが遊んでいました。グズることもなく興味津々にこっちを見てきてかわいい。もちもちだ。かわいすぎる。

okan_icon「猫と赤子はPV稼ぐキラーコンテンツなので、どんどん載せていきましょう。」

nishiyama_icon「そんな理由でうちの子を撮ってたんですか……。」

 

ヨモギの薬効たっぷり 夏の万能薬ブレンド


続いては材料を3種類に絞ってみましょう。せっせとハーブを選んでいる後ろで遊び出す旦那さん。何をやっているんだ。

okan_icon「ドクダミ、ヨモギ、ミントを混ぜていくことにします。」

nishiyama_icon「どれも春夏が旬のハーブなので、スッキリしたお茶になりそうですね!」

okan_icon「そうなんです。若々しい高校球児をイメージしてつくってみようかと。」

nishiyama_icon「……?」


各ハーブをほぐし、お湯を入れて3分抽出したものがこちら。先ほどのものより色がしっかりと出ていますね。

 


グビ……

okan_icon「おおお!さっきよりもミントのメントール感がすごい!」

nishiyama_icon「ローズマリーも香りがよく出ていますよ。ローズマリーは抗菌作用や抗ウイルス作用があります。この香りはメンタルの疲労を癒してくれる機能もあるんです。」

okan_icon「たしかに種類を絞った方が、一つひとつの味が際立ちますね。爽やかな味の向こうに、ヨモギのほろ苦さが出てきます。このほろ苦さは、準決勝あたりで敗退してしまった高校生の苦い思い出を表現されていると思いませんか?」

nishiyama_icon「???(何を言ってるんだろう……)」


意味不明な発言をしても、プリプリの赤ちゃんはかわいい。

nishiyama_icon「ヨモギは「ハーブの女王」と呼ばれているくらい、いろんな薬効が期待できる植物です。精油成分は抗菌効果、婦人科系の不調にも効きますし、アトピーの改善にも役立ちます。 お灸の「もぐさ」もヨモギの葉っぱ。まさに万能薬です。」

okan_icon「アトピー体質なのでそれは嬉しい!裏庭に生えてるヨモギ全部刈ろう。」

 

レシピ(比率)はこちら!

 

和製ハーブ満載 田舎のおばあちゃんぽいブレンド

うららかな夏のひととき感。

okan_icon「最後は和製ハーブだけでブレンドしてみようと思います。」

nishiyama_icon「素朴さが強調された味になりそうですね。さっきのヨモギの苦さを考慮して、ヨモギは少なめにするのがいいと思います。」


どどん!
見た目もかなり素朴な感じになりました。ほとばしる雑草感。

tea_2
こちらもお湯を注いで3分。お湯のなかで踊るハーブが何とも美しいでんな。

 


そしてこれができあがり。ずいぶん色が薄いです。柿の葉なんかは大きくて分厚い葉っぱなので、しっかり色が出るものかと思いましたが、そういうわけではないんですね。

okan_icon「素朴な香りがします。ハイジの藁のベッドとか、トトロの家の裏山をイメージさせますねぇ。」

nishiyama_icon「お店のなかがすごくいい香りですよ。飲んでみましょう。」

 

あっ……

あっ……

okan_icon「田舎ですね……。」

nishiyama_icon「田舎ですねえ。」

okan_icon「久石譲の「Summer」が脳内に流れましたね。柿の葉と同量でドクダミを入れたんですが、草っぽい香りが立ってますねぇ。」

nishiyama_icon「ドクダミも薬効が高く、「十薬」とも呼ばれているハーブです。利尿作用や冷え防止、便秘などに効くと言われています。入れすぎると苦みが出るので、量には注意したいですね。」

柿の葉のスモーキーな風味、ドクダミの薬草っぽい香り、ヨモギの青々しい苦みが見事に調和して、完全に脳内は田舎にトリップ。これがいちばん身体に良さそうな味がする。

レシピ(比率)はこちら!

okan_icon「どれもおいしかった!

nishiyama_icon「たった5種類のハーブでも、組み合わせ次第で味の印象がかなり変わりましたね。」

結論:明日から雑草が宝の山に見える


たま茶さんのお店を紹介しながら総括していきましょう。

okan_icon「今日はどうもありがとうございました。行き当たりばったりでしたが、自分でつくっておいて言うのもアレなくらいおいしかったです。いままで野生化したハーブを採らずに生きてきたのがヤバい……。もう草むらが宝の山にしか見えない……。」

nishiyama_icon「おいしかったですね。身体がすごくポカポカしています。ハーブのなかにはクセのある味もあるので、最初は薄くしたり、普段飲んでいるお茶に少しだけハーブを混ぜて飲むのもいいかもしれませんね。あとは体調に応じて飲み分けるのもおすすめです。」


okan_icon「たま茶さんのところのお茶は身体のテーマに応じたブレンドがたくさんありますしね。」

nishiyama_icon「花粉症に緩和させるブレンドや、安眠を誘うブレンドなんかも用意していますね。わたし自身、出産後に、血行をうながすハーブティーを日常的に飲んでいたら、お乳の出がよくなりました。基本的にハーブティーはカフェインを含まないので、飲む時期を選びません。」


せっかくなのでたま茶さんのハーブティーもいただきましょう。お店ではオリジナルブレンドのハーブティーが飲めます。小瓶に各ブレンドが詰められていて、見た目や香りを手に取って試すことができます。

okan_icon「日常的に飲むというのが大事なんですね。」

nishiyama_icon「薬ではないので、即効性は期待できません。じっくり飲み続けて体調を変えていくイメージです。ただ、それは体調の調整を重視した場合ですね。嗜好品として楽しむのであれば、気分に応じて味を変えるといいですよ!」


ローズやローズヒップ、ローズマリーなど、バラ系統のハーブをふんだんにブレンドしたお茶を注文しました。鮮やかな赤がキレイ!さすがにこんなのは近所に生えてない。

okan_icon「つくったはいいものの、飲みきれない場合はどうしたらいいでしょう?」

nishiyama_icon「乾燥させると日持ちしますし、入浴剤やお部屋の消臭剤としても利用できますよ。」

okan_icon「使い道ありすぎ!」

お茶にも使えて入浴剤にもなるんだったら、世の中の男子はL●SHのバスボムじゃなくて、自分で採ってきたヨモギを彼女にプレゼントすればいいと思います。きっと 「ワイルドなオトコってステキ♡」と彼女も惚れ直すこと間違いなしですね、知らんけど。


試してみてね!

今回採取したハーブは比較的手に入りやすい種類……ヨモギとドクダミにいたっては雑草レベルに身近な植物なので、気になったらぜひ近所を散策して採取してはいかがですか?

材料費0円で、ちょっと上質な暮らしができますよー!

余談ですが、自由研究が終わっていないお子さんがいるご家庭は、ぜひこのネタをお使いください。採取に1日、干すのに1日、飲んでレポート書くのに1日。まだ十分間に合います。

 

次は雑草でフルコースでもつくってみようかと思うので、さっそく近所を徘徊しに行ってきます。

 

取材協力

たま茶
住所:京都府京都市上京区須浜東町448
営業時間:12:00〜18:00(17:30LO)
定休日:木・金曜
HP

 

※予め京都市役所の土木管理課に問い合わせた上での雑草の採取です。
※普通の雑草に見えて個人が管理していたり、道に見えて私有地の場合もあるので、怪しい場合は各自治体などに問い合わせをする方がベターです。
※雑草の採取は地方自治体によって見解が変わるかもしれません。