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大喜利は、お金の掛からないコスパ最高の趣味!

みなさん、やってますか~!? 大喜利


「大喜利」とは!?

司会者から出される「お題」と、ひねりを効かせた「回答」で構成される言葉遊び。もともとは寄席で行われる余興の呼称だった。現在は「大喜利」と言えばこのスタイルが定着しており、テレビ・ネット・雑誌などさまざまな媒体で行われている。紙とペンのみ(口頭でも可能)で出来ることから、プロやアマチュアに関わらず楽しまれている。答えのない「笑える回答」を対戦形式で繰り出す光景は、「頭脳の格闘技」と呼ばれることも。


たとえば…

心配症で有名な心配昭造さんがナースコールを押した理由とは?

デフレ

『お父さん、娘さんをください!』を噛んじゃった…何と言った?

お父さんの100倍幸せにします

『犯人はこの中にいる!』みたいな名探偵の決め台詞を教えて!

くそう犯人め、おぼえてろ!

といった感じ!

私はこの大喜利を、お金も掛けず、かつ想像力も鍛えられる、非常にコストパフォーマンスの高い趣味だと思っています。とくにアイデア勝負の仕事をしている人はやらない理由がありません。15年前、今はなきYahooチャットの大喜利専用ルームで一晩中せっせとボケ倒した日々が懐かしい。Twitterをはじめてからはお題を出す側に回り、ほんのちょっとしたブームになったことも…冒頭のお題と回答もそこから引っ張ってきました。

ASCII.jp:「なんでやねん」に次ぐ2080年のツッコミをTwitterで考える

これももう7年前のことですが…。

世界中でも大喜利が流行ってる!?

そんな大喜利、私がハマっていた頃は極々一部のお笑い好きの遊びといった位置づけでした。ただ、なんでもその後はTwitterのハッシュタグを使った大喜利が常にたくさん開催され、大喜利的な遊びが日本だけではなく世界でも流行っているとか。

ムム…私ももうちょっと続けていれば、Twitter大喜利のパイオニアになれたかもしれなかったのに! いや、世界中で流行っているのであれば、私が住んでいるベトナムでも流行らせることが可能ではないか!?…そこで。

ベトナム人のみなさんに大喜利をやってもらいます!


▲ 左からドゥックさん、ダイさん、ウィンさん、翼さん

翼さんだけ日本人ですが、たまたま社員旅行の出し物で大喜利を考えていたらしく、その予行演習としてご参加いただきました。


写真右の青年は、通訳をお願いした友人のラムくん。小5から高1まで日本に住んでいたので、日本とベトナムの笑いを知る稀な存在です。今回は何かと解説をしてもらうことになるので、先に紹介しておきます。

笑いのツボは文化的背景に起因!? 説明でいきなりつまずく


もちろん、ベトナム人の彼らは大喜利を知らないので、まずは説明から入ります。

これは実際に、日本のテレビで使われたお題です

初めてドラゴンを退治しに行くのですが、アドバイスをお願いします

こういった質問に対して、おもしろい回答を返す遊びが大喜利ね

はぁ…

うーん、ピンと来てないな…。論より証拠だ! プロの芸人さんが考えた回答がこれです

口の中にマヨネーズを投げ込むと火を吹かなくなるよ

はぁ…

あ、あれ! おもしろくない!?


そんな怪訝な顔してないで何か言ってよ!

あの、何のためにマヨネーズを投げ込むんでしょうか?

えっ、そりゃ、鎮火するから…って、あ!そもそもベトナムではその知識が知られてない!?

初耳です

なるほど…! でも、マヨネーズで鎮火できるって日本でも20年くらい前に言われはじめたことか…

ここでラムくんから「そもそも『ドラゴン』がベトナムではメジャーじゃない」との意見。

そうか、日本はドラゴンクエストなどのRPGゲームでよく知られているけど、その存在がなければ確かに分からないかもしれない…! ちょっと見えてきたぞ。仮説だけど…笑いは常識を外して初めて生まれる。その常識が共有できていなければ、理解が出来ないことも当然だ! お題と回答の文化的背景を理解している必要があるんだろう。

ってことは…

こんなコンビニはイヤだ

店員がフル(フェイス)ヘルメット


「なんでヘルメットなんですか?」

あ、日本ではコンビニ強盗ってヘルメットのイメージで…


フルじゃないといけない理由は?

いや、顔が見えちゃったら意味がないから…


それをどうして店員が?

立場が逆っていうのがおもしろいかなって…


おもしろい…ですか?

日本人のあんたなら理屈は分かるだろ!

な、なるほどね~!

コンビニはベトナムにもあるけど、強盗がフルフェイスだという常識はない。
理屈は分かった、いやー泣きそうになったけど

早速、ベトナムの文化を踏まえた上でお題を出してみよう。

※ お題をベトナムに寄せているので、何がおもしろいのか逆に日本人には分かりづらくなっているかもしれません。文化的背景が分かるよう説明を入れていますが、伝わらなかったらごめんなさい。

お題(1)「ちょいちょいイラッとくるセオム、その理由は?」


ベトナムには「セオム」と呼ばれるバイクタクシーがあります。真っ黒に日焼けしたおじさんが多く、一部ではぼったくりや遠回りによる過剰請求などのトラブルも絶えません。


シンキングタイム…考えるときに遠くを見つめるのは万国共通なんだな。


ペンの走る音だけが響く、いい空気だ…。

はい!

はやいな!

体臭が臭う

うん、素直にイヤだね!

ふふっ!…体臭が!臭いって…!!

自分で言ってめっちゃウケてる!!

なんだ、できてるじゃないか!

そうだよ、方向性としてはそういうことだよ! 実際に汗臭いセオムも多いけど。

遠回りする

ヘルメットが汚い

これは意外に…みんな分かってるんじゃないか!? でも、おもしろいっていうか実際に存在する「あるある」なんだよな。もう少し様子を見てみよう。

私も、先の屈辱を晴らしてみるか!

意外に色白

ははは!(笑)

ちょっとウケた! よーし、この調子で…

前カゴにETを乗せている

は…? ET…??

ET、知らねぇのかよ!
この大喜利…手探り感すごいな!!

UBERを呼んだがGrabが来た
※ ベトナムではバイクタクシーを呼ぶアプリでUBERとGrabがあります

あははは! ダイさん分かってきたじゃないか…!

そのほか、このお題で出た回答。

・赤信号無視
・ちょいちょい日陰で休む
・ヘルメットがドリアン臭い
・めっちゃ遠いのに「もうすぐ!」と言う
・青信号なのにクラクションを鳴らしつづける
・「名前は?」「家族構成は?」と質問が多い
・高そうな家があると「ここ友達の家」と言ってくる
・UBERに喧嘩を売る ※ ベトナムではバイク版のUBERがセオムと競合している

お題(2)「生春巻きに巻かれていたらイヤなものとは?」

『揚げ春巻き』、こんな感じで…

ゴキブリ

ふつう気づくだろ

落ちた髪

落ちてるぶん、たちが悪いな

店長の写真

誰にどういうアプローチやねん!

ネズミ

ふつうにいいけど、右上の『なま』って注釈、必要!?

ビーフンくさい

もはや、お題無視だよ!!

いいよいいよ! みんな乗ってきたんじゃないか!?
そのほか、このお題で出た回答。

・石
・唾
・ガム
・笑気ガス
・婚約指輪
・ミニ春巻きからのミニ春巻き

お題(3)「雨季、乾季、実はベトナムにはもうひとつの季節があった!何?」

洪水

実際あるよね

洪水

かぶせてくるんじゃない(笑)

違います。車が魚になって、車がタコになる季節

発想がメルヘンチックだな!

渋滞

割りと年がら年中な

女性が短気

日本語ならではのボケすぎる

出会いと別れの季節

それもうイラストじゃなくて言葉のほうが分かりやすかったんじゃね!?

そのほか、このお題で出た回答。

・超乾季
・正月休み前にソワソワする時期

お題(4)「こんな学校はイヤだ」

先生のアオザイがパツパツ ※ ベトナムの女性教師はアオザイ着用

もはや、あるある!

男女は3メートル以上離れないといけない

共学やめちまえ!

土日授業

ブラック企業か

生徒の半分がネズミ

さっきからネズミ好きすぎるだろ

工場のとなり

さっきからウィンさん、妙にリアルだな

生徒と教師が悟空とフリーザの関係

教師敵視しすぎだろ

じゃ、俺も!

ランチがデリバリー

…?

あれ、おもしろくなかった?

デリバリーはベトナムでふつうかと…

給食って日本ならではだったのか…

そのほか、このお題で出た回答。

・教師がラッパー
・門から校舎まで3km
・教師が試験のときは忍者や警察になる ※監視するということ

日本は素人でも笑いのセンスが試されすぎ!? ベトナムの笑いは牧歌的

みなさん、どうだった?

難しかった!

だよね! 実際にやってみて、ベトナムに近いものってある?

ないですね。ベトナムのお笑いは基本的に喜劇なので…

そうか。というか、世界全体ではそちら寄りなのかもしれないな

ベトナム人には、日本の笑いはちょっと複雑だと思います

まさにシュール!ってことか…嬉しいやら切ないやら

ベトナムの笑いのあるゲームといえば、ジェスチャーゲームとかですね

聴こえない状態で何のジェスチャーか当てるってこと?

そうです

なるほど。言い方は変だけど、手軽に笑えるもんな…

言葉遊びとしては、言葉を反対に言うとか、発音が同じだけど意味が違う、などがあります

笑いは笑いでも方向性が違うんですよ

振り返ってもらうと、最初は思いつくまま答えていたけど、周りが笑わないことが続くと回答に時間をかけるようになった、とのこと。確かに、後半になるにつれて回答数は少なくなって、「あるある的な回答」ではなく「笑いのある回答」が増えていったように感じました。それは言い換えるなら笑いのセンスを試されるプレッシャーが働いたということで、日本人なら前提としてありそうなものだけど、ベトナム人の彼らにとっては、これほどシビアに「笑いのセンスを試される」という機会が今までなかったということのあらわれなのかもしれません。

以上、まとめると…。

・お題と回答は、そもそも文化的背景を理解しておかないと答えられないし笑えない
・ベトナムでは一般人が笑いのセンスをシビアに試されるという機会はあまりない
・それでも「おもしろい回答」を答えるという大喜利の感覚は伝わった
・ベトナム人はイラストでの回答が好き(分かりやすいから?)
・ベトナムの笑いは喜劇(コント)が基本
・ボケやツッコミは曖昧(アメリカンジョーク風)

ということでした!

回答を聞いていると、「ベトナムらしいな」と感じるものが多かった。説明が必要だと本来の大喜利とは違うのかもしれませんが、これは外国人との文化交流にもめちゃくちゃ活きると思います。機会があれば、ぜひ!